こんにちは、さにれたです。
このブログではライブ配信のコツや始め方、音楽活動のコツなどについてまとめています。
先日、このような質問を受けました。

ピックアップってなあに?良い音のものはどういうのがあるの?

OK!じゃあそのあたりを今回は解説していくね!
私はアコースティックギターを使用して配信ライブをよくするのですが、アコギ奏者の方で、機材は全く分からない、音つくりは苦手という方を多く見かけます。今回はアコギの音に関わる機材ピックアップについての解説と、種類ごとの音質比較、おすすめのピックアップに関しても紹介していきます。(※穴あけ加工不要のものもあります)
- ピックアップはどんな人に必要か
- ピックアップごとの音の違い
- おすすめのピックアップ
そもそもピックアップはどんな人に必要?


そもそもアコギでピックアップが必要な人はどんな人?

アコギをライン出力する必要がある人たちだね!
ピックアップはアコギに搭載される機材で、アンプやミキサーなどにギターを接続したい場合に必須となります。
具体的には以下のような人に必要です。
- 路上ライブをする予定がある
- ライブハウスやステージで演奏をする可能性がある
- アプリでのライブ配信でギターの音をより細かくコントロールしたい(音量コントロールやエフェクトをかけたい等)
- アコギをライン録りしたい
ライン出力やライン録りというのはケーブルを通して音を出すことを指します。ピックアップに拾われていない音は録音されないので、綺麗な録音が可能となります。逆にマイクを近づけて音を拾うことを『マイク録り』と言われます。
つまり、マイクを立てずにケーブル接続をして録音したりする場合には必須ということですね。
ちなみにピックアップが搭載されているギターをエレクトリックアコースティックギター(エレアコ)と言います。
エレアコのメリットに関しては以下ページで解説させていただきましたね。
ではいよいよピックアップについて細かく解説していきます。
ピックアップとは

ピックアップは音を拾うための機能を持った機材のことです。マイクのような役割だと思って頂けると分かりやすいですね。↑の画像のようにエレキギターにはブリッジ付近に標準搭載されています。アコースティックギターだと見えないように取り付けられていることが多いです。
同じようにアコースティックギターの音を決めるのにプリアンプというものがありますが、ピックアップは音を拾う装置でプリアンプは拾った音を増幅(ノイズに強くするなど)させる役割となり大きく異なります。
そしてピックアップは主に4種類に分けられます。音の違いを中心に特徴を見ていきましょう。
ピックアップごとの音の違い

順番に特性を紹介しつつ、参考音源聞けるようにしました。
アンダーサドルピエゾ
アンダーサドルピエゾと呼ばれるピックアップは低価格帯から中価格帯のエレアコで標準搭載されていることが多く一番出会う機会の多いピックアップでしょう。
音質はブリブリ・ジャリジャリといった少しにじむような音が特徴です。
ピックアップの中では音が良いと呼ばれることは少ないですが、ハウリングに強く、バンドで埋もれにくいはっきりした高音が出るというメリットがあり、バンドサウンドでは適任と言えます。
↓に参考音源を貼りました。0~21秒まではマイク録り、22~からアンダーサドルピエゾの音が聴けるので比較できるでしょう。
L.R.BaggsのElementというアンダーサドルピックアップです。やはりブリブリしたピエゾらしい音ですね。
コンタクトピエゾ
アンダーサドルピエゾはその名の通りギターのサドルの下に『ピエゾ』と呼ばれる素子が取り付けられているものですが、コンタクトピエゾはギターのボディ裏側に両面テープなどで取付を行い、音を拾うものです。
音質としてはかなりクリアで、繊細なうえギターのボディをたたく音も拾うことが出来るのでソロギターやギター1本でのパフォーマンスには強力な味方となるでしょう。
弱点としては音量が稼ぎにくく、ハウリングにも弱いという点。そのため基本的には他のピックアップとミックスして使うことが多いですね。↓にボディトップに磁石でつけるタイプがあったので音の参考に乗せておきます。
打音も弦の音も自然に拾えていますね。ハウリングに弱いことを除けばかなり優秀なピックアップです。
マグネティック
マグネティックはサウンドホールに取り付けるタイプで見た目で一番わかりやすいタイプですね。
ハウリングに強く、音も悪くないピックアップです。アコギ特有の箱鳴り感は薄いのでリバーブなどをかけないと音が寂しいですが、逆に言えばエフェクトもかけやすいのもこのタイプです。
弱点としては、サウンドホールをふさいでしまうので生音に影響が出てしまうこと。生音を重視する場合はマグネティックピックアップは避けた方が良いでしょう。
L.R.BaggsのM80というマグネティックピックアップの音を聞いてみましょう。↓動画の20秒付近からです。
アンダーサドルのようなブリブリ感は減っていますね。
コンデンサーマイク
コンデンサーマイクは小さなマイクをギターに取り付けて音を拾います。価格にもよりますが音質は一番ナチュラルな音が取れると言われていますね。
弱点はとにかくハウリングに弱いことです。アンプの向きやギターの位置を気にしないとすぐにハウリングを起こすので大きい音を出す場合には不向きです。しかし、音質は良いのでソロギターやギター1本で音にこだわりたい場合は選択肢になるでしょう。
基本的にこちらも単体というよりは他ピックアップとミックスして音を拾うことが多いです。
↓私も所持しているL.R.BaggsのAnthem(アンセム)という定番ピックアップの参考音源です。アンダーサドルピエゾとコンデンサーマイクのデュアルピックアップになります。(30秒~からピエゾのみになります。)
アンセムは国内のアーティストやプロミュージシャンも愛用するモデルとなっておりある種、ギターピックアップの定番商品でもあります。環境に応じてピエゾとのブレンド具合を変えられるのでいろんな場面で使いやすいですね。
また途中にも少し説明しましたが、アンセムのように複数の種類のピックアップを組み合わせて出来ているものもあります。これはデュアルピックアップ等と言われます。

ピックアップは種類に応じて音質や弱点が変わるんだね!

そうそう!得意不得意をまとめてみたよ!
- アンダーサドルピエゾ・・ハウリングに強くバンドに埋もれない音。バンドやステージ向き。ソロギターなどには向かない。
- コンタクトピエゾ・・ハウリングに弱い。打音などを拾うスラム奏法などでは欠かせないもの。弾き語りやソロギターとの相性も◎。大きい会場には不向き
- マグネティック・・ハウリングに強く音も比較的フラット。万能だが打音は拾いにくい。
- コンデンサーマイク・・ハウリングに弱いが音質は一番ナチュラル。弾き語りやソロギターに最適。
では最後におすすめピックアップを紹介していきます。
おすすめピックアップ

おすすめピックアップを3種類紹介させていただきます。
Skysonic T903
SkysonicのT903は、マグネティックピックアップとコンデンサーマイクの組み合わせのタイプで、いろんな場面において使い勝手が良いです。
弾き語りやソロギターの時にはマイクを足していけばかなりナチュラルよりのサウンドが手に入ります。
何よりサウンドホールからシールドを出してしまえば、アコギに穴あけ加工をせずに利用できるので非常に手軽です。9V乾電池1つで動作します。ちなみに音はこのような感じです。
リバーブディレイで音の化粧をしているとはいえこのサウンドがこの価格で手に入るのは驚きです。また、最近のアコギブランドだとフォルヒ等が、一部モデルで穴あけ済みのアコギを販売しているので、そういったモデルであれば工事も完全に不要ですね。
余談ですが、私もこれをYamahaのLL16にマウントして使っていて、過去に穴あけしない状態で使っていた時の動画が見つかったので貼っておきます。
↓のようにコードをサウンドホールから出す感じになります。
【歌って弾いてみた】
— ステラカラア (@tsuluuuuuun) November 12, 2020
『香水』/ 瑛人#ステラカラア#カバー曲#カバー動画#歌ってみた動画#歌ってみた投稿してる人と繋がりたい pic.twitter.com/pBfv2iWyF8
Skysonic wl-800jp
またもやSkysonicからwl-800jpです。こちらの商品はT903をワイヤレスに対応させたような製品で生アコギから完全に工事不要なのが最大のメリットです。電源は充電式となり電池は不要です。
↓の動画で取付方法と、4:05あたりから音の確認ができます。
音質もT903とほとんど同じ系統ですね。この音を工事不要で出せるのは非常に凄いことです。
穴あけ加工したくないギターをワイヤレス化するときには選択肢になるでしょう。
L.R Baggs Anthem
最後は先ほども紹介したL.R Baggs のAnthemです。これはアンダーサドルピエゾピックアップとコンデンサーマイクの組み合わせです。おそらくピックアップでプロアーティストに1番多く利用されているのではないかと言われるほど定番の商品で金額もそれなりにします。
↓秦基博さんの演奏でも使われていました。
アコギに後から取り付けする場合はサドルとジャックに加工が必要なので、ピックアップ購入後にギターショップなどで工事の相談をしましょう。
ちなみに私はこのアンセムも使用しています。
まとめ
さて、今回はアコギのピックアップについて解説させていただきました。路上ライブや配信ライブ等で音質を良くしたい場合は是非参考にしてみてください!
↓付属のクリップチューナーから乗り換えるならこちら
↓半音転調の簡単な対策方法グッズ