こんにちは、さにれたです。
このブログでは音楽活動のコツ、機材についての初心者向けの解説
そして、ギターに関するコツなどをまとめています。
今回は知り合いからこんな相談を受けました。

チューニングしたのに音が合わないなぁ・・・。(ビィ-ン)

ちょっとまって!そのチューニングの仕方間違ってるよ!!?
今はチューナーと呼ばれる便利な機械があり、楽器を初めてさわる方でも簡単にチューニングできるようになりました。そのせいか、チューニングに関して間違った方法で覚えている方が多く見られます。演奏はできていても、独学だと見落としてしまう知識はありますよね。私が主催していた社会人セッションサークルがあるのですが、そこでもチューニング方法が間違っている方が時折いらっしゃいました。
今回は、見落としがちなギターのチューニングの正しい方法と知識を紹介いたします。「ギターを保管する際に弦を緩めるかどうか」等にも言及していますので、ぜひ最後までご覧ください。
ではまずチューニングの基礎から順番に見ていきましょう。
チューニングの基礎知識
チューニングとは何か、チューニングの狂う理由などを解説していきます。本当に基礎的な部分ですが、侮らずに知らない知識があればこの機会に必ず覚えましょう。
ギターにおけるチューニングとは
チューニングとは、【決められた音階に楽器の音を合わせること】です。調律とも言いますね。ギターの場合は、ペグと呼ばれるネジのような部分を回し、それぞれの弦の張力(引っ張る力=張り具合)を変化させて音階を変えます。
ギターのチューニングが狂う理由
上で書いた通り、ギターは弦の張力の変化で音階を変えています。そのため、弦が伸びたり縮んだり張力が変化する時に音が狂います。
では、どんな時に弦の張力が変わるのでしょうか。以下の表をご覧ください。
- 時間経過
- 温度変化
- ギターのネックの状態変化
張力が変わるのは、主にこの3種類になります。それぞれ細かく見ていきましょう。
時間経過
弦は時間が経つほど経年劣化していきます。具体的には、伸びきってしまったり、錆びることで弾力性が減るといったところですね。そのため、弦の張り具合が弱くなります。
そして、寿命を迎えた弦はチューニングがすぐ狂うようにもなるので、弦は通常弦は2-4週間、コーティング弦は3ー4カ月を目安に張り替えましょう。
ちなみに通常弦は演奏後の乾拭きなどの手入れを忘れるとすぐ錆びるので、面倒な方はElixirのようなコーティング弦がおすすめです。
温度変化
温度変化とは気温のことですね。気温が上がるとギターや弦が膨張して音が下がります。逆に気温が下がると、収縮して音が高くなります。冬場にギターを出すとチューニングが高くなっていたりするのはこのためです。

たしかに!音が高くなってるときもたまにあるかも!

そうそう、気温が下がると音が高くなるね!他にも、屋内外に持ち運びしたり、エアコンを強めにつけたりしてもなるから、そういう時はチューニングをする!って覚えておこう!

はーい!外に出したり、部屋に帰ってきたらチューニングね!!
ネックの状態変化
ネックの状態は温度変化でも起きますが、それ以外にも他の弦の張力変化が起きた際にも発生します。例えば、チューニングで6弦だけかなりずれていたとして、6弦を直した際に他の弦のチューニングがずれる、ということが起こります。

なるほどねー!知らないこともあって勉強になるなぁ!

うんうん!意外と知らないよね!基礎知識を知っておくと、この後のチューニング方法の悪い例がなぜ悪いかもしっかり理解できるよ!!
では、いよいよこの知識を踏まえてチューニングの例を見ていきましょう。
チューニングの良い例・悪い例

問題形式で悪い例を書きました。どこが悪いか考えてみましょう。
- 1週間ぶりにギターを出し、6弦から順番にチューニングをしていった。
- 6弦はD#だったのでペグを絞めてEにあわせた
- 5弦がBまで上がっていたため、Aまでペグを緩めて合わせた。
- 4弦以下は全て音があっていたのでそれでチューニングを終えた。
ゆっくり考えてみてください。1番から順に進めていった際に、間違っているところがあります。

え・・・間違ってるところ・・ある・・?

良いリアクションだね!じゃあ1個ずつ間違いがないか見ていくよ!
1.チューニングの順番
問題文①: 1週間ぶりにギターを出し、6弦から順番にチューニングをしていった。
これは正解です。チューニングの順番に特に決まりはないですが、手元に近い6弦から合わせるのがよいでしょう。
2.ペグは絞めて合わせる
問題文②: 6弦はD#だったのでペグを絞めてEにあわせた
こちらも正解です。ペグは絞める方向に合わせるのが正しいやり方になります。
3.ペグを緩めて合わてはダメ
問題文③: 5弦がBまで上がっていたため、Aまでペグを緩めて合わせた。
これは間違いです。
ペグを緩めると、弦を引っ張る力が落ち、音は下がりますね。ただ、緩めて合わせると、弦を弾いた時に音がずれます。
理由は張力です。弦は、張って伸びるのは早いですが、縮む速度は遅いです。つまり、ペグを緩めた後、弦が完全に伸びきるまでに時間がかかります。そのため、演奏開始した際に弾いた衝撃で弦が伸びきり、音がずれてしまいます。音が高くなっていた場合は一度大きく音を下げてからペグを絞めるように合わせましょう。
4.チューニングは2回は繰り返すもの
問題文④: 4弦以下は全て音があっていたのでそれでチューニングを終えた。
これも間違いです。
記事中盤で解説しましたが、ひとつの弦のチューニングを変えた際、他の弦の張力も変わります。問題分の時系列で考えると、5弦をチューニングした後に6弦の音を確認していません。つまり6弦が音がずれている可能性がある、ということですね。

な、なるほどね・・。分かったようなわからないような・・。

大丈夫!分かりやすいように正しいチューニングの方法を書いておくね!
正しいチューニング方法
- 6弦から順番にチューニングしていく
- あわせたい音より低い場合はペグを絞めて合わせる
- あわせたい音より高い場合はペグを緩め、合わせたい音より下げてから絞めて合わせる
- 6弦から1弦まで合わせた後、もう一度すべての弦のチューニングを確認する
- 音がずれていたら「1」へ戻る

わーい!これなら分かりやすいかも!!

うんうん!ギターを始めたてぐらいならここを押さえておけばOKだよ!
正しいチューニング方法の解説でした。この後はチューニングに関しての応用知識を書いていきます。ギターをもって1か月以上経つのであれば、目を通しておきましょう。
チューニングの知識:応用編

いくつかの代表的なチューニングと、その表記のされ方確認しましょう。
レギュラーチューニング
ギターのチューニングはレギュラーチューニングと呼ばれるものが主流で、特に楽譜に明記がなければレギュラーチューニングと覚えましょう。
各弦の音は以下のようになります。
6弦 E(ミ)
5弦 A(ラ)
4弦 D(レ)
3弦 G(ソ)
2弦 B(シ)
1弦 E(ミ)
ドロップD チューニング
ドロップDチューニングはドロップDなどと略して呼ばれるほど知名度が高いものです。ソロギターから低音を響かせるロック系のジャンルなどにも幅広く使われます。
チューニングは以下です。
6弦 D(レ)
5弦 A(ラ)
4弦 D(レ)
3弦 G(ソ)
2弦 B(シ)
1弦 E(ミ)
楽譜上の表記だと(6Strings=Drop D Tuning)といった形で、曲初めの小節の外側に書かれています。ソロギター楽譜では出てくる頻度が高いので必ず確認しましょう。
ダドガドチューニング
ダドガドチューニングはアイリッシュ系と呼ばれる音楽で使われています。ソロギターの楽譜で出てくることが多いチューニングです。
6弦 D(レ)
5弦 A(ラ)
4弦 D(レ)
3弦 G(ソ)
2弦 A(ラ)
1弦 D(レ)
楽譜上では(Tuning= D A D G A D )といった形で書かれます。こちらも同じく曲初めの小節の外側に書かれています。日本のアーティストだと押尾コータローさんの楽譜等で出てきたりしますね。
演奏しないときは・・?

「ギターをしばらく弾かないときは弦を緩める」といった記事を目にすることがありますが、中途半端に緩めると、各弦の張力バランスが悪くなりネックがねじれたりします。
そのため、基本的にはレギュラーチューニングを維持したまま保管するのが良いでしょう。大手ギターメーカーのTaylorもレギュラーチューニングでの保管を推奨しています。
ただ、日本は湿度変化が激しいため、海外基準では計れないことも多いです。あなたの保管環境でネックの反りが発生するのであれば、時期に合わせてチューニングを全て半音下げで合わせて様子を見ましょう。

基本は緩めなくていいんだね!環境次第かぁ・・。うちはどうなんだろう。

日本は地域差もあるし、家の空調もある。ほんとに環境次第だよ!不安であれば湿度調整剤を使って変化を減らすのがオススメだよ!
ネックの変化を見極める自信がない場合は、以下のような湿度調整剤をギターケースに入れ、レギュラーチューニングで保管すれば安心ですね。
私も利用しているおすすめの調整剤を貼っておきます。
では、最後にまとめをみておさらいしましょう!
まとめ
- 弦は張力変化で音が変わる
- 温度変化があった際は普段よりチューニングに気を付ける
- 保管するときは基本的に弦は緩めない。緩めないで反りが発生する環境の場合だけ、緩めて保管する
- 不安な場合は湿度調整剤を利用する
- 6弦から順番にチューニングしていく
- あわせたい音より低い場合はペグを絞めて合わせる
- あわせたい音より高い場合はペグを緩め、合わせたい音より下げてから絞めて合わせる
- 6弦から1弦まで合わせた後、もう一度すべての弦のチューニングを確認する
- 音がずれていたら「1」へ戻る
正しいチューニング方法は理解できましたでしょうか。音階がずれたまま練習すると上達の妨げになります。正しい方法を覚えて、ギターをチューニングしていきましょう。
オススメのチューナーを紹介する記事も書きましたので、興味がある方はコチラもあわせてご覧ください。
ちなみに今回は、Twitterのアンケート機能(匿名)で募集したチューニングの記事になります。もしよければ、さにれたのTwitterをフォローしてアンケートに答えてみてくださいね!今後の記事の参考にさせていただきます!
