こんにちは、さにれたです。
このブログではライブ配信のコツや始め方、機材についての初心者向けの解説
そして、音楽活動のコツ、などをまとめています。
今回は、Twitterから寄せられた以下の質問にお答えします。

宅録するのに必要なモノってなんだろう?

楽器や状況によって異なるから細かく解説していくよ!
今回は『在宅レコーディング=宅録』に必要なモノを解説していきます。バンドの楽器別に必要なモノを記載しますので、DTMや在宅での製作を本格的にやりたい人から、レコーディング費用を浮かすために最低限の予算で十分な品質の機器を用意したい人にもお勧めの記事です。
なお、管理人は20曲以上の楽曲リリース経験があり、そのうち半数は宅録での製作です。その経験から詳細に必要なものを紹介していきます
- エレキギターやベースの宅録で必要なもの
- エレクトリックピアノの宅録で必要なもの
- ボーカルやマイク録りする宅録で必要なもの
- ドラムの宅録で必要なもの
※宅録とレコスタの比較が気になる方は以下の記事もチェックしてみてください。
共通して必要な道具

まずはどの楽器でも必要な道具から解説していきます。
PCとDAWソフト
まず、PC(パソコン)は必須です。そして、DAWソフト(作曲やレコーディングができるソフト)を用意します。これが一番予算がかかります。
PCはDAWソフトが快適に動くスペックのものが必要です。
1トラックレコ―ディングする程度であれば、PCでスペックは以下のようなクラスがあれば十分でしょう。
- CPU・・Core i5
- メモリ(RAM)・・8GB
- ストレージ・・512GB
このあたりのスペックで、PCに十分な空き容量があればとりあえず大抵のDAWは動きます。
ただ、これは最低限です。DTMで簡単なデモを作ったり、録音をする程度であれば問題ないですが、本格的な作曲や編集をする場合は以下のようなスペックが必要になります。
- CPU Core i7以上
- メモリ(RAM) 16GB以上
- ストレージ SSD512TBのメインストレージ+2TBの別ストレージ(SSDだとより良い)
これぐらいのスペックが欲しいです。ミックスマスタリングを出来るようになりたい方や、やる予定がある方はハイスペックなモノを選びましょう。
バンドに一人はこのクラスのスペックのPCと編集スキルがある人がいたら活動がスムーズです。

うーん、おススメの買い方やサイトはあるかなぁ

ハイスペックは新品でBTOでの購入、とりあえず録音だけしたいなら、中古PCだと手軽で良いかな
パソコンは、上にあげた最低限のスペックでも良い値段することが多いので、中古PCで用意するのも手段です。
たとえばPC WRAPだと、7日間の送料無料で返品ができたり、3年の保証のモデルもあるので中古PCでも安心して購入できます。ただ、中古PCだと512GB以上のストレージがあるモデルが少ないので、サイト内の検索欄で512GBなどで検索してソートするのが良いですね。容量が少ないと詰みます。
逆に、今後を見据えて本格的なDTM用のPCを用意したいのであれば新品にしましょう。BTO(ビルド・トゥ・オーダー)パソコンは追加料金でカスタマイズして注文できるので、DTMに合ったPCを選べます。
直近でコスパの良いBTOサイトが見つからなかったので良さげな商品リンクを貼っておきます。大体10~20万ぐらいでそろえて十分な品質です。それ以上は予算をかけすぎかもしれません。
オーディオインターフェイス
オーディオインターフェイスはマイクやギターシールドなどをPCにさせないので経由する役割の機材だと思ってください。音質にも関わってくるので、しっかり選びましょう。スペックは24-bit/192kHz以上に対応しているものを選びましょう。
接続数(in)に関しても、2つ以上のものを必ず選びましょう。1つから4つぐらいが宅録でよく使われる範囲ですが、inが1つだとステレオ録音したり、複数マイクを立てるなど、やりたいことが増えたときに対応できなくなります。
そしてファンタム電源搭載のものを選びましょう。コンデンサーマイクを使う場合に必須になってきます。
ちなみに、マイクプリアンプという内臓のパーツで音質が変わるのですが、1~2万円ぐらいの有名ブランドのものであれば誤差程度です。極端に安い謎ブランドのものを買わなければOKです。
↑管理人のオススメオーディオインターフェイスです。CubaseAIがつくうえ、音質も十分なUR22はとてもおススメです。
DAWソフト
DAWソフトとは作曲ソフトのことです。Cubase, logic, Pro tools, studio one, ABLETON LIVEなど様々な種類があり、無料版から最高グレードだと5万円以上するものもあります。
録音で必要な品質の24bit/192kHz以上のサンプリングレートに対応しているものを選びましょう。
ちなみに、先ほど紹介したオーディオインターフェイス、UR22に付属しているソフトCubase AIは、64bitのオーディオエンジン、192kHzまでのサンプリングレートに対応していて、上位モデルのCubase Proに変えるのも格安でグレードアップできるのでお勧めです。(管理人はCubaseユーザーです)
ちなみに、DAWソフトの個人的な印象を下記にまとめました。参考程度に見てみてください。
- Cubase・・打ち込み作業に強い。ユーザー数が多く解説動画が多い。最上位モデルのProになるとピッチ補正ソフトが付属する。コード補助など作曲アシスタントも充実。バンドル音源がしょぼい。
- logic・・ソフトにバンドルされている音源やエフェクトが優秀。追加のプラグインを増やさなくても品質が高いものが作れる。ソフト自体も安いのでかなりコスパが良い。Mac専用でWindowsで使えない。
- Pro tools・・レコーディングの業界標準ソフト、これが使えるかどうかで音楽の仕事が増えるともいわれる。とにかくレコーディング作業周りに強い。月額課金(サブスク)で高い。
- studio one・・比較的新しめのDAWソフト。レコーディング作業よりのイメージだが詳しく知らない。最上位モデルでもかなり安い、動作も軽くてスペック低いPCにも優しい印象。他DAWと比べショートカットキーのカスタマイズが細かくできる。ユーザーが少ないため何かあった時に情報が少ない。
- ABLETON LIVE・・サンプリングやループに強く、ヒップホップなどのトラックメーカーが愛用しているイメージ。もちろんレコーディングや打ち込みもできる。標準搭載のエフェクトも優秀、特にリバーブは愛用者が多い。スコア(楽譜化)機能がない。安定性に欠け、ソフトが落ちる率が他DAWより高めの印象。
と言った感じです。どのソフトも使い方を覚えるまでは大変ですが「ソフト名 レコーディング 方法」とかで検索したらまぁ何とかなります。宅録だけなら何でもOKです。DTM打ち込みを本格的にやるならlogicかCubase、トラックメイカーでの作業が増えそうならABLETON LIVE、レコーディングの仕事を将来考えるならPro tools選ぶとよいかと思います。
以上が宅録に必要な、共通の道具の解説でした。
エレキギター・エレキベースで必要なモノ

次はエレキギター・エレキベースの宅録の方法です。
楽器本体とシールド
当然ですが楽器とシールドケーブルは必要になってきます。普通のギターシールドでOKです。
オーディオインターフェイスに直接繋いだ際は、接続後にHi-ZボタンをONにします。前段にエフェクターなどをONして繋いでいる場合はHi-ZはOFFにしましょう。
レコーディングの際は録りなおしに備えてボリュームやTONE、ピックアップセレクターなどの位置を変えて録音したら、トラックを分けて必ずメモするようにしましょう。
アンプシュミレーター
宅録でエレキギターやエレキベースを弾くのであれば、アンプシュミレーターが必須になってきます。
アンプシュミレーターとはアンプから出た音を再現する仕組みのことで、エフェクターやDTMのプラグイン音源(ソフト)を利用します。
エフェクターのメリット
エフェクターのメリットはライブなどでも利用することが出来たり、レコーディング時に音の遅延(レイテンシー)がなく、録音時のストレスが少ないことです。
また、プラグイン音源と違って使い慣れていることが多いと思うので、もともとアンプシュミレーターの入ったエフェクターがある方や宅録初心者にはおススメです。とりあえず家にマルチエフェクターがあったらそれで試してみましょう。
ギターなら最近はZoomのマルチエフェクターが良い感じですね。ステージではちょっと使いにくいですがライン録りなどの宅録ではハイエンドマルチに引けを取らない音質で、エフェクトも充実していてコスパが高いです。エレアコの音つくりもこれでバッチリできます。
プラグイン音源のメリット
プラグイン音源はDTMソフト上で後から録音した音源の音を加工するやり方です。最近のプラグインはかなり進化していて、エレキギター奏者の多くが宅録でプラグインを利用してレコーディングをしています。
メリットは録音後からでも音をいくらでも変えられるということと、パンチイン(録り直し)やリズム編集などの手直しがしやしことです。
音源を切り貼りしたり、リズムを少しいじるとギターの音は誰が聴いても弄ったことが分かります。
しかし、リズム編集後にプラグインで歪ませると、完全に気づかれないレベルになります。
演奏が上手じゃない人は圧倒的にプラグイン音源をおすすめします。
ちなみに私が使っているのはBIAS AMP2 ELITEですが、プラグインとは思えないリアルなサウンドが作れるのでお勧めです。
↓サウンドチェック用にシングルコイルのギターで録音し、BIAS AMP2 Eliteの機能のみで音を作りました、Gtは左右で2本です。(大きい音が出るので気をつけてください)
ちなみに設定はクラウド上にある他の人の設定をコピーして使えるので音作りが苦手な方も安心です。
そして、ベースアンプもあるのでベーシストにもお勧めですよ。高めのエフェクター1台我慢すれば買える範囲なので、宅録用に揃えておいて損はないと思います。
ちなみに、DAWにバンドルされているアンプシュミレーターもありますが、バンドルで良い音のものは少ないので、BIAS AMP2を素直に用意することをオススメします。
以上がエレキギター・エレキベースの宅録に必要なモノでした。
エレクトリックピアノなどの録音で必要なモノ

次は鍵盤系です。ピアノの録音はオーディオ録音か、MIDIでの制作かに分かれます。
オーディオ録音する方法
オーディオ録音とは、オーディオインターフェイスにシールドを指して、エレクトリックピアノの内臓の音をそのまま録音する方法です。
メリットは費用が掛からないことと、普段の音つくりのまま録音できるというところですね。
音質は所持しているピアノの音源の品質に左右されます。
高価な鍵盤を持っている人など、オーディオ録音派の人も結構います。
MIDIで製作する方法
MIDIでの制作は、打ち込み作曲などで使うMIDIと呼ばれるデータで製作する方法を指しています。やり方としては、MIDI機能のある鍵盤を使って演奏し、MIDIデータとしてレコーディングする方法です。MIDIは後から位置や弾いた音階、強弱などを編集できるうえ、音源はプラグイン音源で変えられます。弾きなおしすらせず修正が出来るということですね、とても手軽です。
特徴としては、良くも悪くもプラグイン音源の品質に左右されるので、良い音で録音したい場合はお高めのプラグイン音源が必要になってきます。そしてそれはライブでは使えないというのがデメリットでもあります。
DTMで人気の高く、動作の軽いプラグイン音源ならXLN AudioのAddictive Keys Trioがオススメです。「Studio Grand」「Electric Grand」「Modern Upright」「Mark One」の4種類から3種類の音色を選んで購入する感じですね。ポップスバンドなどのオケになじみやすいので、ピアノがメインじゃない場合、これで十分でしょう。価格も安いです。Mark OneとModern UprightあたりさえあればPopsは何でも作れそうです。↓Mark Oneの参考音源です。
動作が軽いので入門に最適です。使い方も簡単で安く、サンプル音源で音質に問題なしと判断できれば買いです。
ちなみに、生ピアノの音で品質を拘りたいをという方はivoryなどを見てみると良いかもしれません。値は張りますが、音に妥協をしたくない場合はプラグイン音源にこだわってみましょう。
IVORY 3 German D、とても良い音ですね。なかなかいい値段がしますが、グランドピアノの生録音をするのはかなり環境が難しいので、プラグインで済ませるというのが現実的ですね。MIDIなので演奏のミスの手直しも手軽です。
ただ、ピアノ音源はDAWに豊富にバンドルされているので、一度DAWの音を確認してみてからチェックすると良いかと思います。
ボーカルなどマイク録りする場合に必要なモノ

最後はボーカルなどの、マイク録音する場合に必要なモノを解説していきます。
コンデンサーマイク
まずはマイクです。ボーカルレコーディングには基本的にコンデンサーマイクを使用します。価格帯は予算によって変わりますが、例えばAdoさんが使用しているのはAKGのC214という機種で、これが最近の宅録の指標になるかと思います。(私もアコギ録音に使用しています)
安い物だとやはり音の解像度が低く安っぽくなります。C214は価格以上の音の良さでコスパが良いですね。
予算を抑えたい方でも『ローカットスイッチ』があるものを選びましょう。配信用途で人気なAT2020などにはローカットがないので、AT2035あたりが宅録で現実的に使える範囲になってきます。
価格で決めるのもおかしいですが、1.5万円ぐらいが最低ラインですね。それ以下の製品はちょっと音質的に厳しいです。
(声をがちがちに加工するタイプの音楽ジャンルならマイクの品質は少し落としても良いかとは思いますが、1万以下のマイクでCD作るぐらいなら素直にレコスタで録りましょう。)
XLRケーブル・ショックマウント・マイクスタンド・ポップガード
コンデンサーマイク以外はXLRケーブル、ショックマウント、マイクスタンド、ポップガードが必要になってきます。AT2035やC214等にはショックマウントが付属しています。(AT2020はこれも無いのです)マイクに付属していないものは買い足しましょう。
XLRケーブルはマイクとオーディオインターフェイスを接続します。宅録環境に合わせてケーブルの長さを選びましょう。
ちなみに、XLRケーブルとダイナミックマイクを用意すれば路上ライブでも使えます。(でもレコーディング用は外に出さない方が良いですね。)
※ちなみに路上ライブは長くやっていたのでその記事も書いてます↓
ショックマウントは基本的にマイクに付属しています。ショックマウントが付属してないレベルのものは正直買わない方が良いので割愛します。(既にマイクをお持ちでショックマウントだけ持っていない場合は「マイクの型式 ショックマウント」などで検索して見つけましょう)
というか、マイクとサイズが合わず使えない場合があるので、個別で探してみてください。
ポップガードは金属製か布製かで選びます。金属の方が洗ったり手入れが楽ですが値段が高いです、布製の安いやつとかで問題ないです。
ちなみに、以下記事で選び方とおススメ製品の記事を記載していますので気になる方はチェックしてみてください。
最後にマイクスタンドですが、家の大きさによりますが路上ライブなどでも使えるブームマイクスタンドを買ってしまうのをお勧めします。
ブームスタンドは安くても5000円程しますが、CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / MSB/BLACK ブームマイクスタンド
は超破格の安さで高品質なので、これ1本持っておくと便利です。
ミドルクラス以上のオーディオインターフェイス
音質にこだわりたいのであれば(特にボーカル)、オーディオインターフェイスはミドルクラス以上のものを選ぶのも重要になってきます。目安は使用しているマイクの値段より上の価格のオーディオインターフェイスを使うようにすればどちらかの性能で足を引っ張られることはないでしょう。
よくいますが、高価なマイクで安価なオーディオインターフェイスだと性能を十分に発揮できず、あまりよくない結果になります。
とはいえ、2万前後商品が多いオーディオインターフェイスから、上位モデルを見ると一気に10万ぐらいに跳ね上がりますので、予算は必要です。
最初は安価なモデルから満足できないときに買い替える・・という方法でも良いと思います。ただ、将来ずっと音楽に取り組むという方は最初のオーディオインターフェイスから良いモデルを選びましょう。オーディオインターフェイスはそうそう故障はしませんし、結局音にこだわりだしたら買い替えることになります。
ちなみに、私の周りではBABYFACEなどが人気ですね。
また、アンテロープのZen Goは10万を切ったオーディオインターフェイスの中では音質の評価もかなり高く、貴重な選択肢になってきます。
リフレクションフィルター
最後は環境によって必要な道具、リフレクションフィルターです。宅内の録音環境だと家によっては反響音が影響してボーカルの編集がしにくかったり、結果的に音質やクオリティに大きな影響を及ぼすことがあります。
そういった場合に反響音を抑え、綺麗な録音を補助してくれるリフレクションフィルターを用意するのも選択肢です。
「用意しないと録音ができない」といったものではないですが、録音環境が酷い人だと、全ての高級機材やマイクを無駄にしてしまっているケースもあるので録り音の状況によっては用意してみましょう。
あと、ほんとに若干ですが防音効果もあります。集合住宅で歌う場合はあったら気休め程度ですがトラブルが減るかもしれません。
以上がボーカル録音に必要なモノでした。
宅録の費用を稼ぐには

いろいろ紹介しましたが、宅録をするには初期費用がかかります。最初だけではありますが、いきなり用意できるものではありません。音楽的な収入が少ない場合は、ライブの物販を拡充したり、ファンクラブを用意するなどを忘れずに行っておきましょう。
また、ネットのライブ配信に挑戦して少しでも費用を用意するのも選択肢です。
詳細な記事を↓にまとめていますので、参考にしていただければと思います。
まとめ
- 共通で必要なモノ・・ある程度のPC。24/192対応のDAWソフトとオーディオインターフェイス(2inでファンタム電源があるもの)。
- ライン録り楽器・・プラグイン音源だと編集がしやすい。ハードウェアにこだわるとライブでも使える。
- マイク録り楽器・・コンデンサーマイクとショックマウントにポップガード、スタンド。状況によってはリフレクションフィルター。高いマイクを買うなら高いオーディオインターフェイスも用意した方が良い。
こんな感じですね。オーディオインターフェイス+DAWで2万。PC中古で5万でライン録りは完結できそうです。レコスタの予算があったら買っちゃうと今後の製作も楽ですよ。
ここまでの道具でレコーディングは完璧に出来ると思いますが、MIX・ボーカルエディット・マスタリングは出来ません。録音データをCDクラスの音質に引き締めるためには適切な技術とソフトウェアの利用が必要です。
MIX系のプラグインを揃えると数万円するうえ、知識や経験がないとソフトだけで手軽に作れる・・とはいきません。なので知り合いのエンジニア経験者に頼むか、知り合いにいなければココナラで依頼するのも手段です。
ちなみにココナラなら、ジャケットや歌詞カードなどのデザイン依頼も安価に済ませられます。登録者向けの割引クーポンは定期的に配っているので登録は済ませておきましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。当ブログはバンドや音楽活動・配信活動に関わる知識・経験を記載しています、興味がある方は他の記事もチェックしていってくださいね。