配信用マイク、AG01のレビュー。使い方や接続方法も解説

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こんにちは、さにれたです。
このブログではライブ配信のコツや始め方、音楽活動のコツ
そして、機材についての初心者向けの解説などをまとめています。

今回はYAMAHAの機材AG01についてレビューしていきます。

どんな人におススメなのかな?

実際にテストしてレビューしてみたよ!

YAMAHAの配信用機材として有名なAG03、それのシリーズ機にあたるAG01はどんなことができるのでしょうか。実際に検証しながらレビューしていきます。
私の家にはAG06MK2、MG10XUを始めとした配信用に使えるオーディオインターフェイスが6台、マイクは4つあります。DTMなど音楽制作活動や配信自体も長年行っており、音楽的視点と、配信者の視点から評価を書かせていただきます。
もちろん、当ブログの趣旨である配信機材に詳しくない方向けにも分かりやすく解説していきます。

この記事で分かること
  • AG01のスペック
  • AG01が他の機材と比べて優れている点
  • AG01の使い方・接続方法
  • AG01はどんな人におススメか
  • AG01の注意点
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AG01のスペック

AG01の内容物

まずはAG01のスペックと外観、同梱品などを見ていきましょう。↑はAG01の開梱時の画像です。

AG1のスペック

形式コンデンサーマイク
指向特性単一指向性
周波数特性30Hz-20kHz
感度-34dB ±3dB(0dB=1V/Pa, at 1kHz)
USB2 IN / 2 OUT, USB Audio Class 2.0 Compliant, サンプリング周波数: Max. 192 kHz, 量子化ビット数: 24-bit, Type=C
入力AUX(1)
出力3.5mmミニのPhone端子(1)、4極ミニ入出力(1)、USB(1)
電源Type-C, 5 V DC, 900 mA
116mm
高さ281mm
奥行き118mm
重量1.2kg

カタログスペックではよく分からない人も多いと思いますが、音質面は一般的なコンデンサーマイクと比べても見劣りはしません。あとは結構大きくて重量がありますね。また、コンデンサーマイクなので電源が必要です。ちなみに、必要な電力量はAG03Mk2などと同じです。

同梱品

AG01の同梱品は以下になります。

  • AG01本体
  • USBケーブル(A to C)
  • CubaseAI(作曲・レコーディングソフト)のプロダクトキー
  • WAVELAB CAST(動画の音声編集ソフト)のプロダクトキー

作曲用ソフトのCubaseや、SNSやYoutube用の動画製作に役立つWAVELAB CASTが付属しています。マイクだけでなく、ソフトが豊富についてくるので製作に役立ちますね。
付属のUSBケーブルはType=C側をAG01に接続し、Type=A側はPCへの接続や、変換アダプターを使ってスマホやiPadへ接続する用途です。
もちろん、C to Cのケーブルなどを持っている場合はそれを利用しての接続も可能です。

AG01が他の機材と比べて優れている点

AG01

他の配信機材と比べたときに、AG01が優れていると感じた点を書いていきます。

DSPエフェクトがある

AG01にはDSPエフェクトが搭載されています。DSPエフェクトは簡単に言うと音声にエコーやコンプレッサーなどの音の加工を与えるエフェクトのことで様々種類があります。
AG01に搭載されているのはリバーブ、コンプレッサー、イコライザーの3種類です。DSPエフェクトが搭載されているコンデンサーマイクというのは現状ほとんど存在しません。通常はエフェクトを使うためにボーカルエフェクターやDSPエフェクト付きのミキサーなどが必要になりますが、一体型になっているAG01は単体でエフェクトを使うことが出来ます。

リバーブ・コンプレッサー・イコライザーの効果について

リバーブはカラオケのエコーのような機能で音の残響感を演出します。歌配信などでは必須ですね。コンプレッサーは音量の調整で音量の差を減らし聞こえを良くします。コンプレッサーがないと声の音量ムラでリスナーがストレスに感じることがある為、縁の下の力持ちとして重宝されます。イコライザーは声の低域や高域などのバランスを調整し、声の質感を調整することができます。声の雰囲気やキャラクターをより特徴的・魅力的に見せることも出来ます。

エフェクトがあるマイクって少ないんだね

ほぼ存在しないね!そしてエフェクト付きのミキサーも個人配信用向けで安価なものは多くないよ!

DSPエフェクトがある配信機材ではAG03MK2やNewmal X、US42-Bなどが有名ですね。ただ、どれもオーディオインターフェイス兼ミキサーですね。
ちなみに、スマホ配信用の機材は以下の記事でも紹介しているので興味があればチェックしてみてください。

■スマホ配信用オーディオインターフェイス・ミキサーまとめ

オーディオインターフェイス不要のUSBマイク

配信用の機材を揃えようとすると、マイク+オーディオインターフェイス+XLRケーブルが必要になります。AG01はUSBで直接スマホやPCと接続できるため、XLRケーブルとオーディオインターフェイスがいりません。なので家が機材で埋まってしまったり、ケーブルだらけになる心配もなく、またコスパも良いです。

また、単体で完結するので持ち運びにも便利です。旅行先での配信などでも重宝するでしょう。

シンプルで使いやすい

機材が苦手な人向けにも、操作パネルがシンプルで、分かりやすいようにイラストが描かれているので機材に抵抗がある人でも困ることがなさそうなのも大きなポイントです。
オーディオインターフェイスも要らないので、接続機器が少なく機材の接続方法が分からないということも少ないでしょう。

この製品の登場で、配信機材の導入ハードルがぐっと下がった感じがします。

AG01の使い方・接続方法

では、使い方と接続方法を画像付きで解説していきます。

前面の操作方法

上から見ていきます。マイクのミュートボタンはそのままです、マイクの音のみをOFFにします。
マイクの音量変更もそのままですね、音量が変えられます。
リバーブのON/OFFはボタン式で、リバーブ(カラオケのエコーのようなエフェクト)をON/OFF切り替えられます。
(ちなみに、リバーブOFFにした際は、ON時に入力されていた音の残響は残って発声される仕様です。エフェクトがぶつ切りにならずに使いやすいですね。)
歌唱時や、タイトルコールなどで使うと良いでしょう。
エフェクトの濃さなどを変更したい場合はスマホやPCと接続し、専用のソフト(AG Controller)で設定します。

USB接続の音量変更はUSB接続している機器からの音量をコントロールします。ループバック機能など、USB端末でBGMを流しているときなどに使います。
ヘッドホン用の音量変更もそのままですね。配信音量ではなく自分の聞くヘッドホンの音量を上げるものになります。

背面の操作方法

マイクのゲイン変更は3段階で変更できます。ゲインと言うのは音の増幅装置で、ベースとなる音量の目安です。表面のつまみで微調整、裏面のゲインで大まかな調整をします。音量が足りないときにはHIGHにしましょう。
ただ、音量を上げすぎると小さい音もより拾うようになるので、ノイズが発生しやすくなります。

STREAMING OUTは「USB接続先などに音をどこまで送るか」を決めるのに使います。MICだとマイクのみでAUX端子などからの音は入らなくなります。レコーディング時などに使います。INPUT MIXはAUX端子などに接続されている音なども入ります、配信時によく使います。LOOP BACKはUSB接続している機器が流している音を拾って、それもアウトプット(配信やヘッドホン)へ送ります。例えばiPhoneに接続して配信している際に、iPhoneが流している音楽も拾ってくれる感じですね。

LOOP BACKがないと配信端末で流している音は拾われないんだ

そう!だから『1台の端末で配信しながらBGMも流す』ってときにLOOP BACKを使うんだ!

画像の一番下にあるMIX MINUS MICはマイクの返しをなくすものです。マイクに入った音をヘッドホンに流さなくなります。利用例としては、歌配信で自分の声が大きすぎてオケが聞こえないという時などに使うものですね。あとは、スピーカーでモニタリングするときにマイクのハウリングを防ぐこともできます。

接続方法

次は接続方法です。接続端子はAG01の底面に全てまとまっています。

ヘッドホンの接続は3.5mmミニピンですね、イヤホンでも繋がります。電源の接続はType=Cで5 V DC, 900 mA以上のものを使用しましょう。USBの接続もType=Cで繋がります。配信したい端末(iPhoneやPC)と接続できます。
PCと接続するときは付属のUSB C to Aケーブルでそのまま接続できますが、iPhoneやiPadでライトニング端子の機器と接続する場合はUSBカメラアダプターを利用しましょう。以下にリンクを貼っておきます。(apple純正品が安全です)

4極接続の端子はTRRSケーブルを使用することでAndoroidなどのスマホと接続して、配信に音を送ることが出来ます。(アナログ接続なので音質はUSB接続より落ちます。)
私は以下のTRRSケーブルでテストしましたが問題なく利用できました。


AUXはBGM等を流すときに使う端子です。サブのスマホやタブレットなどでBGMやSEを送ったり管理するときにはここに接続しましょう。こちらもミニピンジャックですね。接続したい機器とオーディオミニピンジャックでつなげるコードを用意しましょう。

使用方法

大まかな使い方の流れは以下の通りです。

  1. 全ての音量をゼロにし、電源以外の接続機器を繋ぎます。
  2. 電源ケーブルを接続します。
  3. ヘッドホン音量を真ん中程度にし、発声しながらマイクの音量を上げて調節していきます。
    ※背面のマイクゲインはトークならHIGH(声の大きい人はMID)で始めるとよいでしょう。
  4. AUXも同じように調整します。配信での利用の場合は背面をINPUT MIXにしておきましょう。(配信端末でBGMも流す場合はLOOPBACKにします)
  5. MIX MINUS MICは好みで選択します。ミュートボタンやリバーブボタンは配信中に必要なタイミングで押して使います。配信前に聞いておきましょう

だいたいのイメージですね。音響機器は基本的に電源をON/OFFする際はボリュームを下げておきましょう、故障やトラブルの原因になります。
また、使用終了後は電源をぬいて湿気や水気の無い場所で保管しましょう。可能であれば湿度調整剤を入れてケースで保管しましょう。

■【故障】コンデンサーマイクが壊れやすい理由
(↑記事内のファンタム電源はAG01は関係ないので気にしないでください。)

■コンデンサーマイクのオススメ保管方法を3種類解説

AG01はどんな人におススメか

次に、AG01がどんな人におススメか、どんな配信が出来るか、AG01が向いている状況を解説していきます。

コンデンサーマイクにリバーブ(エコー)が欲しい人

ダイナミックマイクと比べてクリアな解像度で繊細な音まで拾ってくれるコンデンサーマイク。そんなコンデンサーマイクが欲しい人で、さらにリバーブなどのエフェクトも使いたい方には向いています。AG01であれば複数の機器を買わずとも1台で完結するので手軽です。

主にBGMを流しながらの歌枠などをしたい場合には最適でしょう。

配信機材を置くスペースが少ない人

機材の導入をしたくても場所がなかなか取れないという人にはAG01は向いています。オーディオインターフェイスやマイクをセッティングする環境がなかなか取れない方、子供に壊されないように普段は片づけておきたい主婦の配信者などにもお勧めです。
オーディオインターフェイスとマイクなどを毎回しまうのはかなり手間ですが、AG01であれば比較的すぐ片づけられますし、セッティングしても場所をほとんどとりません。

あとは寝る前に寝室に運ぶなど、家の中で細かく場所を変えて配信できるため、どんな環境でも高クオリティ配信が出来るので、隙間でとにかく配信するスタイルの配信者にもお勧めです。

機材を持ち運びたい人

旅行先でも高クオリティな配信がしたい人や、車内配信でも機材が使いたい人などにはAG01がベストな選択肢になってきます。
持ち運びできる配信機材の中ではおそらく最小構成の為、持ち出し用の配信機材が欲しい人のサブ機としてもかなり便利です。値段も手ごろですね。

音量問題で車内配信する配信者や、旅先でよく配信するスタイルの方。出張が多いライバーの強い味方と言えるでしょう。

AG01をサウンドハウスで見る

AG01の注意点


最後にAG01を購入する前に注意するべき点も記載していきます。

電源ケーブルが別途必要になる

AG01は利用の際に電源が必要ですが、電源ケーブルが付属していません。USB Type=Cなので、スマホ用の充電器などで代用できますが、もし持っていない場合は、以下のようなUSB Type=Cで電力の対応したものを別途購入する必要があります。

DSPエフェクトの調整はスマホで行う必要がある

これはあまりデメリットでもないのですが、AG controllerというiPhoneやWindows用のソフトを利用してリバーブやコンプレッサーのかかり具合を変更することが出来ます。ただ、配信中には調整できないので予め調整しておく必要があります。
また、AG03等と違ってコンプレッサーとイコライザーのON/OFFボタンがありません。

まぁ配信中にコンプ変更する機会はないと思うけどね!

楽器用のシールドケーブルと接続が出来ない

エレキギターや電子ピアノはシールドと呼ばれるケーブルで出力することが多いですが、AG01にはシールドケーブルがささらないので接続が出来ません。なので、歌枠には向いていますが、演奏枠には向いていないです。
もちろん、コンデンサーマイクで音を拾えば弾き語り等は問題なくできるとは思いますが、後々になって楽器を接続する等の拡張性が無いことが不便に感じることもあるでしょう。

ボーカルエフェクターに接続が出来ない

ピッチ変更でケロケロボイスになるボーカルエフェクターや、フォルマウントと呼ばれる男女声を変更するようなボイスチェンジャーなどといった機器との接続が出来ません。

というのも、基本的にはマイク→エフェクター→オーディオインターフェイスと接続するのですが、AG01はマイクとエフェクターとオーディオインターフェイスが一体になっているので、経由することが出来ないのです。
そのため、将来的にボーカルエフェクターを利用したいと考える場合は不向きでしょう。

楽器やエフェクターは今は使わないけど・・うーん。

とはいえ、サブ機としては優秀だから買って損はないよ!

拡張性の少なさはやはり気になりますが、後々になって別の機器を買いそろえることになったとしても、AG01はサブ機として優秀なので腐ることがありません。
旅行用や、車内、寝室での利用など場所を選ばずに配信が出来るので最初の1台から、優秀なサブ機材として長く利用することが出来るでしょう。

まとめ

  • AG01はDSPエフェクト付きのコンデンサーマイク。
  • シンプルな使い勝手で機械音痴の人にも優しい
  • 持ち運びが便利で、旅先や車内、寝室など場所を選ばない配信ができる
  • 場所を取らず、毎回片付けもしやすいので主婦ライバーにも優しい
  • 楽器やボーカルエフェクターの接続は出来ない

かなり特徴的なUSBコンデンサーマイクのAG01ですが、配信スタイルや環境によってはこれが1番ベストになるタイミングがある、そんな製品ですね。
モバイルバッテリーなどで電源さえ取れれば、どんな場所でも配信できます。デスクから寝室に移って、まったり雑談配信なども高音質でできるので、そういった配信スタイルの方にもおススメです。

AG01をサウンドハウスで見る

他にも当ブログでは配信者向けの記事を書いているので興味がある方は以下のようなチェックしてみてください。